30代でおしゃれに目覚める

大人になってからおしゃれに目覚めた人の記録。アンティークジュエリー好き。

アンティークジュエリーとの運命的な出会い

ショーケースの中で輝く

ジュエリーに興味を持った私は、百貨店やショッピングモールを通る時は宝飾品フロアを見るようになった。

キラキラしたものを見るのは楽しい。けれど、ショーケースの中のジュエリーは、私の手元にくるよりもショーケースの中にあるほうがきれいだなと感じ、購入意欲はわかなかった。

商品が美しくなるようディスプレイして照明をあてるのは、魅せるために当然なんだけど、それがきれいすぎると自分が手にした時に色あせる。身に付けてみても、ショーケースの中にいた時のほうがずっといいって思っちゃうのは、けっこう残念。

ジュエリーは身に付けてこそだから、飾られている状態より人が身に付けたほうが映えるんだろうけど、お店ではキラキラしすぎてそれがわかりにくかった。

もちろん、予算二、三万で見ていたから、よけいにショーケースにある時のほうがきれいだったんだろう。もっと質のよいものなら、ショーケースから出しても魅力は損なわないのだと思う。

 

アンティークの指輪に目を奪われる

キラキラはお店で見ているだけのほうがいいかもと思いはじめていた私も、ついに「これが欲しい」と思うジュエリーに、アンティークショップで巡り合った。

フロアを歩き回ってキラキラでお腹いっぱい状態の私は、周囲とは雰囲気の違うことに惹かれて立ち止まった。ショーケースの中で、魅力的なディスプレイがされていることは他のお店と変わらないけれど、石はカットの仕方が違うし現代ジュエリーのようなキラキラさは薄い。そして装飾がなんかすごい。

そして私は、その中に並ぶひとつの指輪に目を奪われ、「見せてください」と声をかけた。

ルビーとダイヤが交互に並ぶ、二文字の指輪。はめてみると中指にすっぷり収まり、自分の手になじむ。石のカットも古いタイプのカットで、ショーケースの中でものすごくキラキラしているというわけでないかわりに、出してもらっても魅力が損なわれることはなかった。

 

求めるものは完璧さではない

お店の人といろいろ話しながら、ルーペを貸してもらったりしてじっくり見る。少しでも大きく石を削りだそうとしたのか、カットはほんの少し不ぞろいである。ビルマ産の非加熱ルビーらしいが、非加熱というわけで色合いに微妙に違いがある。細部のみクローズアップしたら微細な違いはあるのだが、全体を見るときれいにまとまっていてうっとりしてしまう。

石の留め方も、爪がほとんどわからない。石と石の間が細かいミル打ちで敷き詰められているように見えて、地金のきらめきと石のキラキラがいい感じにマッチしている。

石座の部分はサイドからの光も取り込めるようすき間があいていて、シャンクからアームにかけて細くなっている。アンティークはシャンクやアームの装飾が凝っているものも多いけど、これはシンプル。でも、スッとひとつ入っている線が、全体をすっきりと見せている。そういったところが、かわいい。

刻印もあって、時代も特定されている。これを作った職人は、どういうオーダーを受けたのだろうか。最初にどんな人の指を飾り、その後どういう経緯で手放し、いろいろな人の手を渡ってここまでやってきたのだろうか。アンティークだからこそ、そういった背景込みで胸がときめく。

 

これは私のものだ

身に付けて、鏡の前でなんども見た。これは私のものだと思った。 

しかし金額が桁違いだった。予算二、三万とかお話にならない。私の二か月分の給料だ。そんな高額商品買ったことがない。私が過去に購入した高額商品は、パソコンやiPhoneくらいだ。その金額を軽く超えてくるものを、しかも生活必需品ではなく贅沢品を買うだなんて、ありえなかった。

私は悩んだ。こんな金額出せない。でも指輪は私のものだ。この指にはめていたい。

一時間弱にわたる激しい葛藤の末、私は言った。「買います」と。一晩寝かせて考えることすら嫌だった。私のものにしたかった。

幸い、服にも化粧品にもお金をかけないし、旅行にも出かけない。本を買うのと、数か月に一度の友人とのお出かけ以外ではほとんどお金を使わない。

今までためたお金の一部は「どうしても欲しいものがあった時用」として貯蓄とは分けていたのだし、その出番がようやく来たのだ。つまり、どうしても欲しいこのジュエリーを買ってもばちは当たらない。

そして私はクレジットカードを差し出した。
クレジットカードは限度額オーバーで利用停止になった。
遅い時間だったのでカスタマーセンターは受付終了していた。

 

そういえば上限額ってあったね

意気消沈しながら取り置きをお願いして、翌日を一時引き上げる手続きをしてから再びお店に行き、ようやくお迎えできた。

限度額オーバーをする日が来るとは思わなかったので、いい経験となった。しかも一晩おいても、あれは私のものだという気持ちは揺るがなかったので、それを確認する意味でもよかったのかもしれない。

でもね、この後また同じお店で購入したときにクレジットカード作ったんだけど、この最初の時から作っておけばよかった。額が額だから、ポイントすごいつく。

 

照明とブラックライト

ちなみに、この指輪のきらめきが発揮されるのは、蛍光灯や太陽の下のような明るい場所ではない。夜に外を歩いている時に手元をみると、近くの照明を反射してキラキラする。バーみたいな薄暗い場所でもキラキラする。ダイヤがキラキラするだけじゃなく、そのキラキラでルビーがより一層引き立つからホントきれい。

あと、百均で買ったブラックライトを当てたら、ルビーは真っ赤になる。ダイヤモンドは、一石だけ青白く光る蛍光性があるものがあった。

テンション上がって、持っていた鉱物含めいろんな石にブラックライトあてて楽しんだけど、ルビーとスピネルの真っ赤さが一番気に入っている。あと蛍光色のダイヤ探しもおもしろかった。

なにはともあれ、この指輪との出会いは、私の価値観を一変させた出来事だったのである。